UT WORKOUT · Mental & Philosophy

切迫感の悪循環
六 ・ 丙
Chapter 6-C
悪循環という設計
The Design of the Vicious Cycle
チャートを開く。ポジションはない。だが、手は動きたがっている。
口座を見る。増やさなければ、という感覚が、どこかにある。その感覚が、まだ来ていない条件を、来たことにしようとする。
この章立ての入口に、七つの逆説を置いた。その中の一行——切迫感があるからトレードするのに、切迫感があると判断が歪む。この章は、その一行だけを展開する。
切迫感がある。だから待てない。待てないから、根拠を探しに行く。探しに行けば、見つかる——チャートは、探せば何かしらの理由を、必ず差し出すからだ。その理由でエントリーする。歪んだエントリーは、負ける。負ければ、切迫感は、さらに濃くなる。そしてまた、探しに行く。
ここで起きているのは、チャートに聞きに行くことではない。自分の答えを、チャートに確認しに行くことだ。「チャートは斯く語りき」の、完全な逆。読んでいるのではない。探している。
根拠を探しているのではない。切迫感に、探させられている。